Epistula Vol.63(2021年6月10日)

学長コラム 生きる欣(よろこ)び

Epistula Vol.63(2021年6月10日付)掲載

 私が最初に所謂「IT」に接したのは、1984年に世界銀行スクッフとして働き始めた時でした。エクセルなどの基本ソフトをマスターし1987年に帰国すると、大蔵省で東芝ダイナブックを使って予算編成に利用しました。当時は未だ他に誰も使っておらず、経済企画庁でさえも使っていませんでした。私のエクセルを使っての予算交渉が経済企画庁幹部の知るところとなり、早く使えるようにと部下が叱咤激励されていました。1990 年に郵便貯金の大量流出が問題になった際には、初めて大蔵次官室にコンピューターを持ち込み、前提条件の変化に関する幹部の色々な指示を即座に計算に反映させました。

 2007年にIMF理事に就任し再度ワシントンに赴任した際には、世の中はブラックベリーの時代になっており、スタッフたちは色々な情報をブラックベリーで出張先でもオンタイムで入手していました。そして2009年にアメリカで最初のアイフォーンに接しその使いやすさに驚愕しました。

 8年前から週2回電話会議を海外と始めましたが現在はZoom (ズーム)で行っています。また、年2回の米国東海岸訪問時にニューヨークの日本法人の支店長を集めて夕食会を開催していましたが、これも現在では150名が登録されたズーム会議に替えられています。