知事 ご祝辞

 

 大分県立芸術文化短期大学が創立60周年を迎えましたことを、心からお慶び申し上げます。

 歴代の理事長をはじめ、学長、先生方の情熱あふれるご指導に深甚なる敬意を表します。あわせて、今日に至るまで大学を支えてきた各界の皆様・卒業生の皆様の並々ならぬご協力に対し、深く感謝を申し上げます。

 これまでの歴史を振り返りますと、貴大学は昭和36年に美術科と音楽科からなる県立の芸術短期大学として別府市に開学しました。以来、人文系2学科の増設や認定専攻科の開設など、社会のニーズに応えながら、人材育成と教育の充実を図るとともに、地域の活性化にも大いに貢献されてきました。

 人材育成の面では、この60年間に学科・専攻科をあわせ、延べ1万6千人を超える卒業生を送り出し、音楽家や芸術家はもとより、イラストレーターや服飾デザイナーなど、多様な人材が国内外で活躍されています。

 教育面では、芸術系と人文系の学科の併設を生かした職業人の育成として、全学科横断型の「アートマネジメントプログラム」や就職・進学に対応した進路指導プログラムなどが評価委員会で高く評価されています。

 さらに地域活性化の取組として、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭やラグビーワールドカップ2019TM大分開催をはじめ、これまで県内各地の行事に参加し、地域と交流するなど、幅広い活動で地域に力を与えていただいています。貴大学が地域に根ざした大学であることを大いに実感しています。

 また今年は、平成27年度から進めてこられたキャンパス整備が完了した記念の年でもあります。今回の整備では、芸術デザイン棟やシンボルロードなどの改修・増築に加え、新たに音楽ホールや附属図書館が設けられ、デザイン的にも優れた、芸術文化の学びの場にふさわしいキャンパスに生まれ変わりました。

県産材をふんだんに利用したこれらの建物は、今年3月の日本木材活用コンクールにおいて、最優秀の農林水産大臣賞を受賞するなど、県内外で高い評価を得ています。

 この新たなキャンパスにおいて、貴大学が、小手川理事長のリーダーシップのもと、芸術文化を通じた人間力の育成や地域貢献に果敢に取り組まれるとともに、先生方をはじめ、学生、卒業生の皆様が、次の時代の新しい大分を築く原動力になられることを願ってやみません。

県としても貴大学とともに芸術の創造、文化の進展や地域社会の活性化を図り、あらゆる関係者が一丸となって本県の未来を共に創り上げていけるよう努めてまいります。

 結びに、貴大学の60周年記念を機に、数多くの関係者の皆様方が築かれた輝かしい歴史と伝統の下、地域に開かれた大学として今後とも更なる発展を遂げられることを祈念いたします。

 

大分県知事 広瀬 勝貞