県の国際交流員が語る「大分の観光と文化」
2015.07.08
県の国際交流員ミリアム・スターリングさんが6月23日(火)、本学国際総合学科の講義「大分の観光と文化」で「外国人の目から見た大分の観光と文化」について講演されました。
イギリス・ロンドン出身のスターリングさんは「イギリス人の立場から見る大分県」と題して大分の魅力とイギリス人への観光PRについて話しました。
温泉、食文化、自然、美術について就任10ヶ月の経験・考察を語ったスターリングさん。温泉に関して「一般にイギリス人には“onsen”がわかりません。イギリスのバースにも温泉があるのですが、水着を着る必要がありますし、値段も高いので、めったに行きません」と述べ、なによりも、他人に衣服を着ていない姿を見られることに抵抗があることを指摘し、どうやって温泉をアピールするべきかが課題だと話しました。そして、マスコミへのアピール、『千と千尋の神隠し』のような温泉を知る映画でのPR、「(温泉は)ありのままの姿でも楽しい経験!」といったように説明することなどを提案しました。
観光PRで「もっと工夫できること」についてまとめたスターリングさんは、姫島の盆踊りや日田の屋形船、とり天など大分だけで経験できる「唯一性」を強調することの重要性を話しました。また、魅力的だけど車がないと行けない場所への交通機関の普及、伝統的な盆踊りなどの英語情報が必要なことも挙げました。
スターリングさんは「私の父は映画『奇跡』(2011年公開)がお気に入りで、この映画から舞台の鹿児島を好きになり、実際に鹿児島を訪れたほどです」と話しました。一つの映画が東京や京都ではなく、地方を訪れるきっかけになるのだと語りました。そして、イギリスの若者は他の観光客が知らない場所に行きたがる人が多いことから「きっかけとなる『唯一性』が大事なのです」と力説しました。
イギリス人の考え方を知り、また大分の良さを別の角度から見ることができる講義でした。