第62回卒業式・第44回専攻科修了式を執り行いました
2024.03.19
3月19日(火)、第62回卒業式・第44回専攻科修了式を本学体育館において執り行いました。 音楽科の学生によるオーケストラの演奏が行われる中で開式した卒業式・専攻科修了式には、尾野副知事、木付県議会副議長ほか多くの来賓にご臨席いただきました。
美術科68名、音楽科60名、国際総合学科88名、情報コミュニケーション学科97名の計313名に卒業証書と学位記が授与され、専攻科造形専攻23名、音楽専攻23名の計46名に修了証書と学位記が授与されました。また、芸術系2学科で教職課程を修得した学生に対して、教職免許状(中学校教諭2種:美術15名、音楽31名)が授与されました。
卒業生、修了生のみなさん、ご卒業・修了おめでとうございます!
◆◇◆ 第62回卒業式・第44回専攻科修了式 学長式辞 ◆◇◆
本日、大分県立芸術文化短期大学を卒業される313名の皆さん、また、認定専攻科を修了される46名の皆さん、誠におめでとうございます。
そして、ご家族の皆様には、これまでご子弟の成長を見守りつつ、学修生活のために本学へのご支援をいただいたことに対し、厚く御礼申し上げます。教職員を代表いたしまして、心からお祝いと感謝の気持ちをお伝えいたします。また、ご多用の中、尾野副知事を始めご来賓の皆様方にご臨席を賜りましたことに感謝の意を表したいと思います。
本日は5年ぶりに体育館で卒業式を行うことができました。新型コロナウイルス感染症の影響で、長らく一堂に会しての卒業式が難しい状況でしたが、皆様のご協力と努力のおかげで、ようやく以前のように卒業生・修了生の皆さんと共に卒業式を行え、大変嬉しく思います。
さて、本学は芸術系と人文系の両方の特色を備えた日本でも珍しい大学です。芸術系の創造性と人文系の深い理解が交錯する場であり、多様な知識と視点を提供してきました。音楽や美術、国際総合や情報コミュニケーションなど、幅広い分野を学びながら、皆さんは自らの芸術性や人間性を磨いてこられたことと思います。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、皆さんの学修生活には多大な影響が及びました。オンライン授業やリモートワークなど、新たな学び方が求められた中で、皆さんは柔軟に対応し、自らの成長に努めてきました。今日の卒業式も、その一環として、皆さんの進化と成長を象徴するものです。
一つの失敗や困難が、後に人生を豊かにする貴重な経験に繋がることもあります。時には運命の流れが変わることもあります。私自身も学生時代には様々な試練に直面しました。ここで一つ私の話を致しますと、私は大学時代に一科目の試験の時間を間違え、更には、これを修復する書類を当時盛んだった学生運動のために紛失し、一年間留年することになりました。しかしその一年間で新たにロシア語の通訳の仕事を経験し、それまで全く関係のなかった音楽の世界に引き込まれて行きました。また、当初は法律学が嫌いで教養学科に転部しようと考えていましたが、一年間の間に考えが変わり法学部に進み大蔵省に入ることになりました。そして、その時代に初めて巡り合った音楽や美術のおかげで、今日皆さんと同じ場所で同じ時間を過ごしています。
「人間万事塞翁が馬」という中国の諺があります。その意味は「人生で遭遇することの吉凶や禍福は、変転きわまりなく、容易にさだめがたい」というものです。皆さんが不運だと今考えていることが、振り返ってみると実は幸せへの階段の第一歩だった、ということがありえるわけです。
今回の卒業式を境に、皆さんは新しいステージに進むことになります。時には困難に直面することもあるでしょうが、「失敗」を恐れず、何度も挑戦し、失敗の経験を生かしながら自らの能力を高めていってください。 人生は一度きりです。途方もない競争の中で皆さんに生を与えてくれたご両親に、心から感謝してください。皆さんは、この一度きりの人生にチャレンジする権利をご両親から授かりました。この機会を活かし、一度しかない人生を「使い果たす」ことを心に留めてください。「使い残す」ことは許されません。どんなことでも結構です。自らの人生を「使い果たした」と誇りを持って言える時間を過ごしましょう。後悔することなく、常に未来を見据え、自らの人生を充実させるために努力してください。過去の出来事にこだわるよりも、美味しいものを食べ、いつまでも夢をはぐくみ前進していってください。私たちは皆さんの未来に幸せが訪れることを心から祈っています。 繰り返しになりますが、本日は本当におめでとうございます。
令和6年3月19日 大分県立芸術文化短期大学 学長 小手川 大助