第61回入学式・第43回専攻科入学式を執り行いました
2021.04.06
2021年度入学式を4月5日(月)、執り行いました。
今年度も各学科ごとに会場を分散し、メイン会場からの中継で式典を行いました。
音楽科学生による大学賛歌が合唱され、学長から短大に364名(美術科80名、音楽科66名、国際総合学科108名、情報コミュニケーション学科110名)、専攻科には48名(造形専攻27名、音楽専攻21名)の計412名が入学許可されました。
小手川大助学長は式辞で「失敗を恐れずチャレンジを繰り返し、中身の詰まった2年間を過ごして欲しい」と新入生を激励し、短大と専攻科のそれぞれ入学生代表が「学則を守り、学生としての本分をつくします」と宣誓しました。
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、心から歓迎します。
◆◇◆2021年度入学式学長式辞◆◇◆
大分県立芸術文化短期大学に入学された皆さん、御入学誠におめでとうございます。また、本日はご列席を控えて頂きましたが、ご家族の皆様に対しまして、心からお祝いを申し上げます。世界情勢がめまぐるしく変動していくこの時代の中にあって、日本においては、少子高齢化、過疎化と一極集中、就労人口の減少などにより、地域共同体の維持が難しくなってきています。
その一方、世界はGNPなどの経済規模を競い合う時代から、どこに住めば一回しかない人生を最高に楽しむことができるか、という時代に入ってきています。そういう目で見ると、日本は圧倒的に世界のトップにいます。長生きすることができ、治安もよく、空気も綺麗で、交通の便もよく、美味しい食べ物や温泉などの「癒し」の文化にあふれています。また、それぞれの地域や季節ごとに異なる「マイクロカルチャー」に溢れています。マイクロカルチャーもまた人生を豊かにしてくれるものだと思いますし、大分には、そのような意識が、古くから存在していたと思われます。
本学は、芸術系と人文系の学科を併せ持つ、大変ユニークな公立短期大学であり、音楽や美術、国際文化、歴史、情報、地域社会など、まさに人々に生きる喜びを与え、暮らしを豊かにするものを、ここで学ぶことができます。今年も、全国各地から新入生をお迎えしました。私としては、皆さんが、これからの二年間、あるいは更にその先の二年間、そうした地域の持つ隠れた長所(マイクロカルチャー)に気付く感性を更に磨き上げ、広い視野と芸術文化の知識・技能を持って地域社会を支えていける有為な人材に育つことを願い、教育に当たっていきたいと思います。
教育目的に《幅広い教養及び優れた技能を有する人間性豊かな人材を育成し、もって芸術の創造、文化の進展、及び地域社会の発展に寄与する》と唱っているように、本学では、教養と専門分野をバランスよく学ぶことができます。教育に当たる先生方は、専門家として、それぞれの分野において高い知識と能力を有しており、必ず、皆さんの成長を支えてくれるでしょう。次に、芸術系と人文系の学科の学生達がお互いに顔が見える範囲のキャンパスの中で、互いの垣根を越えて広く学ぶことができるのも本学ならではの特権と言えます。中でも「アートマネジメント・プログラム」は、全学科の学生を対象として、芸術と観客を結ぶ仕事を系統的に学んでいく、まさに本学の特長を活かした講座ですので、是非受講を検討してください。また、教育の重点取組のひとつとして、様々な地域連携、地域貢献への活動があります。芸術系では、定期演奏会や小中学校での地域巡回演奏会、ふれあいアート講座、様々な作品展等々。人文系では、実社会で経験を積んで活躍している方々の生の声を聞く「地域社会特講」や、地域の方々と協働する「サービスラーニング」などがあります。加えて本学は、大分市、由布市、竹田市のほか、多くの芸術文化団体やマスコミ等と友好交流協定を結んでおり、皆さんの学外での学修活動が可能となるよう仕組みを整えています。更に、中国武漢の江漢大学、韓国釜山の釜山外国語大学のほか、多数の海外の学校とも友好協定を締結しており、春季・夏季の休暇を活用した短期語学留学を実施しています。現状、コロナ禍で制限がありオンラインでの実習となっていますが、例年数十名の学生が参加しています。こうした、地域社会や国際的な交流の機会を含む様々な経験が、学生生活をさらに豊かにしてくれますし、将来、生きていく上で必要となる地域の人たちとのコミュニケーション力や蓄えた知識、鍛えた技術を自信持って発現できる力を養うために、大いに役立つことでしょう。
専攻科についてもお話ししておく必要があります。芸術系には造形と音楽の二つの分野の認定専攻科があり、短大卒業後、更に二年間の研鑽を積み、学士号をとることができます。そして、修了後には大学院に進学して、さらに修士号を取得した卒業生もいます。専攻科に進まれる皆さんにとって、短大と専攻科の合計四年間の勉学は、四年制大学と比較してもその集中度において、はるかに勝るものがあります。一層の専門性獲得のために自信を持って進み、更に学習を重ねて所期の成果を挙げられるよう心から願うものです。
さて、本学は、創立六十周年を迎えました。また、平成二十八年度から五年間に及んだ工事は先月完了し、リニューアルされたキャンパスに皆さんをお迎えしました。新築した図書館や音楽ホール、芸短ギャラリー、交流広場など、皆さんがキャンパスライフを有意義に送っていただける環境は整っています。五月には、創立六十周年・キャンパス整備完成式典を行います。この記念する年を皆さんと迎えられることをとても嬉しく感じております。
皆さんには、本学で自らを磨き、どんどん地域社会に出て行き、大きな目標を持ち、自らを高めていくことを期待します。若いときは、失敗はつきものです。どうぞこれから失敗を恐れずにチャレンジを繰り返し、最高に中身の詰まった二年間を過ごしてください。
令和三年四月五日
大分県立芸術文化短期大学
学長 小手川 大助