本学の留学生 周伊萱さんが日本語スピーチコンテストで受賞しました

2016.12.01

 2016年10月29日(土)に、ホルトホール大分で開催された「OITA学生提言フェスタ ~留学生による日本語スピーチコンテスト」において、本学の留学生 周伊萱(しゅういかん)さんが、第2位(8人中)の成績を納め、優秀賞を獲得しました。

 周さんは、今年の4月に本学と提携している中国の江漢大学(武漢市)から留学中の6名の学生のうちの一人です。本学 国際総合学科に所属し、学科での勉強の他、日本人学生や地域との交流も積極的に行なっています。

 スピーチでは、「日本人のゴミ捨て」というテーマで、「ゴミ捨て」という一見簡単そうに見える行動に対する認識が、来日前と来日後でいかに変化したかを、数々の実体験をもとに生き生きと発表しました。そして、そこから中国が抱えている環境問題に対する一般の人々の意識改革の重要性を訴えました。

以下、スピーチの内容です。

 

「日本人のゴミの分別について」  

 はじめまして。私は、周伊萱と申します。
 今日は、日本人のゴミの分別について、考えたこと、気づいたことを、お話ししたいと思います。
 私が、初めてゴミの分別を耳にしたのは、小学生の頃。テレビで、日本のゴミの分別システムについて放送されていた時でした。その時、私は、「指定された日に特定のゴミを出すだけで、簡単なことではないのか。」と思ったのですが、実際に日本に留学して生活していると、その難しさを実感します。  
 私は現在、大分市の、ある団地に住んでいます。入った初日、いろんな原因で、ゴミ収集の日程表をもらえませんでした。ゴミがどんどんたまっていくため、大分駅の近くに住んでいる先輩にお願いをして、とりあえず、その月のゴミ収集予定の情報を教えてもらいました。その時、これで一件落着と思った私は、数日後、団地の自治会の人が家に注意を促しに来るとは思ってもみませんでした。
 自治会の方の話を聞いて、ようやく気づきました。実は、先輩の住んでいる場所と私が住んでいる場所が異なるため、ごみの収集日も違ったのです。そうです、私は、ゴミの取集日を間違えてしまったのです。そして、新しい日程表をもらい、「これで絶対間違いない!」と思いました。
 しかし、また失敗をしてしまいました。燃えるゴミと燃えないゴミを捨てる場所は同じですが、ほかのゴミは別の場所に捨てなければなりませんでした。自分はいつも団地の人に迷惑をかけてばかりで、「申し訳ない」という気持ちでいっぱいでした。
 一度目の失敗をした時のことを思い出し、「これで絶対間違いない」と思った自分を殴ってやりたいぐらいです。 なぜなら、このようなこともあったからです。授業がない時、早起きをしたくなくて、前夜の九時にゴミを捨ててしまいました。これもやってはいけないことでした。長い時間ゴミを置いておくと、野良猫やカラスによりゴミが荒らされてしまいます。ですから必ず朝出さなければなりません。
 こうして、いろんな回り道をして、ようやく正しいゴミ捨ての方法を理解することができました。正直、団地の人に注意された時はつらかったです。どうして、ただゴミ捨てという簡単な行動に、これだけのことをしなければならないのでしょうか?
 でも、日本での生活が長くなるにつれ、面倒なごみ捨てもなんとなく理解できるようになりました。日本は資源が乏しい国です。ですから資源のリサイクルも非常に重視しています。「ゴミ」は捨てられたもので、もういらないものですが、今の技術を利用して、世の中の一部分として再び役立てられています。ゴミが新しい資源に生まれ変わっているのです。このような厳密なシステムが存在しているからこそ、日本は、資源が乏しいという不利な状況を乗り越え、豊かな暮らしを送ることができているのだと思います。
 日本に比べ、中国の土地は広く、資源は豊富と言われていますが、人口が多くて、国民が利用できる資源には決して余裕はありません。地域によっては、資源が無駄に費やされている所もたくさんあります。ゴミの分別がきちんと実施されなければ、この状況はさらに悪化し続けると思います。ゴミ捨てという小さな行動ですが、国を変えるほどの力があると思います。私はこのことを中国の人々にも伝えていきたいと思いました。そして、この大切なことを教えてくれた自治会の方々に感謝を伝えたいと思います。本当にありがとうございます。

 ご清聴ありがとうございました。