第56回入学式・第38回専攻科入学式を執り行いました
2016.04.06
第56回入学式・第38回専攻科入学式を4月5日(火)、iichiko総合文化センター「グランシアタ」で執り行いました。
今年度は短大に383名(美術科78名、音楽科72名、国際総合学科124名、情報コミュニケーション学科109名)、専攻科に47名(造形専攻26名、音楽専攻21名)の計430名が入学しました。
道を隔てた隣に昨年オープンしたばかりの県立美術館(OPAM)があり、「芸術文化ゾーン」として、大分の芸術文化発信拠点の一つであるグランシアタでの式に、新入生、教職員とも決意新たなスタートとなりました。会場では新入生を歓迎して、音楽科在学生のオーケストラによる、東海林 修作曲「ディスコ・キッド」、岩井直薄作曲 ポップス描写曲「メイン・ストリートで」、リヒャルト シュトラウス作曲「ウィーン市のための祝典音楽」を演奏。合唱の学生も加わり「大学賛歌」を演奏し、荘厳な雰囲気の中、開式しました。
中山欽吾学長は式辞で「新入生のみなさんは、今までと比較にならないほど独立して、自分の道を歩き始めることになります。明日に向かって、待ったなしの毎日が始まります。一日一日を大切に、そして健康に留意して、キャンパス生活をエンジョイして下さい。」と新入生にエールを送りました。また、キャンパス整備事業についても「今後5年間に渡る大工事により、音楽ホールの新設、食堂と図書館の移設、広々としたギャラリーを設けるなど、見違えるようなキャンパスになる予定です。」と述べました。
入学生宣誓では短大代表の大浦優希さん(国際総合学科)と専攻科代表の鈴木琴子さん(音楽専攻)が登壇。学則を守り、学生としての本分をつくすことを宣誓しました。
知事告辞では広瀬勝貞知事が「失敗を恐れず、何事にもチャレンジし、高い志を持って自分自身を高めてください。そして、相手の立場に立って物事を考え、懐の深い人として大きく成長してください」と激励しました。
来賓祝辞では田中利明大分県議会議長より、「一人一人の資質を上げ本気を出してください。本気を出せば世界が変わり、自分も変わります。変わらなければ本気ではないのです。人生で本気の生活を送ってもらいたい。」と激励がありました。
新入生のみなさん、入学おめでとうございます。教職員一同、心から歓迎します。
第56回入学式・第38回専攻科入学式学長式辞
芸術文化短期大学に入学された383名の皆さん、また認定専攻科の第7期生となる47名の皆さん、御入学まことにおめでとうございます。ご臨席いただいた広瀬勝貞大分県知事、田中利明大分県議会議長をはじめ、ご来賓の方々、本学役員、教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎いたします。
また本式典にご参列下さいましたご家族、関係者の方々も、喜びは如何ばかりかと存じます。心からお祝いを申し上げる次第です。
昨年から、入学式をここ総合文化センター・いいちこグランシアタで執り行うことにしましたが、それには理由があります。隣には県立美術館(OPAM)が昨年オープンしたばかりで、道を隔てたこの二つの施設が、「芸術文化ゾーン」として、大分での芸術文化の中心となり、皆さん方が活躍する舞台ともなる場所なのです。新しい美術館では、世界的な作品や日本でも国宝級の作品を間近に観ることができるだけでなく、美術科の皆さんにとっては自分たちの作品発表の場ともなります。また、ここグランシアタや音の泉ホールでは一級のオペラやバレエ、オーケストラなどが鑑賞できるだけでなく、音楽科の皆さんにとっては自分たちの演奏会場ともなりますし、国際総合学科や情報コミュニケーション学科の皆さんにとっても、ホールの企画部門での実習の場ともなるのです。すなわち、ここが皆さん方にとって第二のキャンパスといっても過言ではないと思い、今大分で最も輝いているこの場所において、皆さん方の大学生活の第一歩をお祝いしたいと考えた次第であります。
さて、新入生の皆さんは、待ちに待った今日の入学式を迎えられ、大学のキャンパス生活への期待と希望に胸を膨らませておられることでしょう。これからはその期待に違わず、新鮮な気分の中にも、緊張感のある、ワクワクするような毎日になるでしょう。
ご家族の方々には、今までの来し方を感慨深く思い起こしていらっしゃることと思いますが、お子さまが大学に入学されると、今までと比較にならないほど独立して自分の道を歩き始めることになりますので、これからは是非そのことをご理解いただき、温かく見守って下さるようにお願いしたいと思います。
ここで、本学について基本的なご説明をしておきたいと思います。大分県立芸術文化短期大学は、公立大学法人という独立経営を行う組織になっています。大学には芸術系として美術と音楽、人文系として国際総合と情報コミュニケーションの4学科があり、加えて、造形と音楽の二つの専攻科から成っています。本学の教育目的には《幅広い教養及び優れた技能を有する人間性豊かな人材を育成し、もって芸術の創造、文化の進展、及び地域社会の発展に寄与する》と唱っているように、専門教育と教養教育をバランスよく受けることができます。教育に当たる先生方は、専門家として研究活動も行って、高い専門性を持っています。その専門性に裏付けされた内容を、どのように教えるのか計画を作り、講義の要旨を冊子にまとめたものが授業ガイド、シラバスと言われるもので、皆さんに差し上げます。その中から皆さんそれぞれが自分の学びたい科目を選んで勉強することになります。このことは、社会人になるためにどんな専門を伸ばしたいか、どんな資格を取りたいのかといったデザインを、今から自分自身で描くことを意味します。
そして、皆さんは早ければ2年間、専攻科進学の場合は4年間の勉学の後には、社会に巣立って行きます。特に短期大学では、入学する年と卒業する年の2年間しかないので、スタート直後から独り立ちして社会に出て行くということを意識した勉強を全力投球でやっていかなければなりません。この自覚と緊張感が皆さんのキャンパス生活で真剣かつ充実した毎日を過ごすことに繫がると思います。
もちろん、皆さんは各学科のいずれかに所属していますが、それぞれの学科の専門知識や専門技能・技術の習得に加えて、望めば人文系と芸術系の学科の垣根を越えて、もっと広い範囲の学習をする機会もあるということを忘れないでください。これは、芸術系と人文系の学科がお互いに顔が見える範囲のキャンパスでともに学んでいる本学ならではの特権です。
さらには、教育の重点の一つとして、様々な機会に学外で活動する体験的学習が用意されています。芸術系では、定期コンサートや出前コンサート、ふれあいアート、作品展等々、学外に出ての活動は、地域の人たちとのコミュニケーション力を養うために大いに役立つことでしょう。人文系でも地域社会特講という実社会で経験を積んでリーダーとなっている方々を招いて行う特別講義と、その講義に基づいて実地で実習するサービスラーニングを始めとして、多くの地域活動や社会活動に参加することができます。
事実、本学は大分市、由布市、竹田市とのほか、文化芸術団体やマスコミ等と友好交流協定を結んでいます。さらに、海外では米国のカリフォルニア州立大やニュージーランドのクライストチャーチ・ポリテクニック・インスティテュートを始めとして、フランス、英国、中国、韓国の大学とも友好協定を結び、海外語学実習や編入学の留学生を送り出しています。国際的な交流の機会を含む様々な経験が、学生生活をさらに豊かにしていくことでしょう。
専攻科についてもお話ししておく必要があります。芸術系の学科には造形と音楽の2コースの認定専攻科があります。短大卒業後、更に二年間の研鑽を積んで、学士号をとることができるようになり、修了後には大学院に進学して修士号を取得した卒業生も複数生まれています。専攻科に進まれる皆さんにとって、短大と認定専攻科の合計4年間の勉学は、4年制大学に比較してもその集中度においてはるかに勝るものです。一層の専門性獲得のために自信を持って進まれて、更に学習を重ねて所期の成果を挙げられるよう心から願うものです。
さて、最後に昨年度から始まった芸術系の校舎をはじめとするキャンパス整備事業について簡単に触れておきます。今後5年間に亘る大工事ですが、勿論皆さんのキャンパス生活に支障が及ばないよう、注意深く工事を進めて行きます。特に、大人数のオーケストラや合唱の練習ができる十分の広さを保った音楽ホールの新設、キャンパスの南端にある食堂と図書館を中央部に移設し、人文系や芸術緑ヶ丘高校の学生・生徒の皆さんの便宜を向上させ、お互いの交流も盛んにすることや、広々としたギャラリーを設けることなど、完成の暁には見違えるようなキャンパスになる予定です。
本学は総合大学とは異なり、規模は決して大きくはありません。しかし、私は小さくてもキラキラ輝く宝石のような大学にしたいと、言い続けてきました。そうなるためには、皆さん一人ひとりが輝いて、光を反射していくことが必要です。自らを磨き、どんどん社会に出て行くことが、全体として外に向かってキラキラと輝くことになるのです。そこに皆さんの輝きも是非加えていただきたいものです。そのためには、高い目標を持ち、自らを高めるという行為が必要ですが、皆さんはきっと先輩達に負けずに実現してくれるでしょう。
さて、いよいよオリエンテーションが始まり、皆さんは最初に何を、どの先生に教わるのかを決めていく作業に入ります。そして、待ったなしのキャンパス生活が始まります。一日一日を大切に、そして健康に留意して、キャンパス生活をエンジョイして下さい。
平成28年4月5日
大分県立芸術文化短期大学 学長 中山 欽吾