【アートマネジメントプログラム】公開講座第4回佐渡裕「音楽の力」

2024.11.21

 

 11月14日(木)、指揮者の佐渡裕氏をお迎えして公開講座を開催しました。佐渡氏は、国内外で高く評価される指揮者であり、兵庫県立芸術文化センターの芸術監督や新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督として、地域に音楽文化を根付かせる活動を続けています。
 兵庫県立芸術文化センターでは、8回前後のオペラ公演のチケットがすぐに完売することで知られていますが、これは佐渡氏とホールスタッフの長年の取組の成果だと語ります。
 開館当初のスーパーキッズ・オーケストラの立ち上げや、地域住民との交流を目的としたオペラ前夜祭など、地道に「人と音楽が出会う場」を築き上げてきたことが、今のセンターの姿を作り上げました。

 さらに、佐渡氏は毎年開催される「サントリー1万人の第九」にも触れました。このイベントには毎年1万人が集まり、ベートーヴェンの第九を歌います。各参加者は様々な思いを抱えながら、演奏に挑みます。「歓喜の歌」と称される第九の「歓喜(Freude)」は、お互いを認め合うことで生まれるものと言われます。佐渡氏は「音楽こそ、社会の分断が進む現代に必要な存在だと思う」と述べました。

 この講座は、音楽が人と人をつなぐ意義や可能性を感じる貴重な機会となり、参加者からは「音楽の素晴らしさを改めて感じた」「『音楽は、張り詰めた気持ちを涙で流し、共に困難を乗り越えようとする力をくれる』という言葉が心に残った」など、多くの感想が寄せられ、大盛況のうちに終了しました。
 ご来場いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。